○むつ市議会基本条例

平成25年6月26日

条例第26号

わが国の地方分権改革の進展に伴い、地方自治体の自己決定と自己責任の範囲が一層拡大され、住民から選ばれた代表で構成される議事機関としての議会は、今まで以上に責任ある議会活動が求められており、その果たすべき役割はますます大きくなっている。

議会は、市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)と対等な関係にあり、市政の運営に関し二元代表制の一翼を担う重大な責務があり、共に市民の負託を受け、それぞれの異なる特性を生かし、市民の意思を市政に的確に反映させるため議論し、協力しながらその使命を果たす責務を負っている。

議員は自己研鑽と資質の向上に努め、地域の課題のみならず様々な市政の課題と市民の意向を的確に把握し、市民全体の福祉の向上と市政発展のため活動しなければならない。

議会は、その持てる機能を駆使して、積極的な情報の発信と公開、政策活動への多様な市民参加の推進、議員間及び執行機関との自由闊達な討議を展開し、公正性、透明性及び信頼性の確保等について独自の議会運営ルールを定め、遵守し、実践することにより、市民の負託に全力で応えなければならない。

市民に信頼され、活動力と創造力のある議会を築くために、ここにこの条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、二元代表制の下、議会の役割を明らかにするとともに、情報公開と市民参加を基本とした議会及び議員の活動原則等の基本的事項を定め、自律的、主体的な議会活動を行うことにより、市民の負託に全力で応え、もって市民福祉の向上と市政の発展に寄与することを目的とする。

第2章 議員の責務及び活動原則

(議員の活動原則)

第2条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 議員間の自由な討議により合意形成を図り、政策立案、政策提言等を積極的に行うこと。

(2) 一部の団体や地域の課題にとどまらず、市民全体の福祉の向上を目指して活動すること。

(3) 調査研究活動と自己研鑽を通じて議員としての資質の向上に努めること。

(4) 市民の意見把握と市政への反映に努めること。

(5) 議会活動について市民に説明責任を果たすこと。

(6) 公正性、透明性及び信頼性の確保に努めること。

(7) 会議の招集があるときは他の用務等に優先させて出席すること。

(会派)

第3条 議会の会派は、政策立案、政策提言等の政策を中心とした同一の理念を共有する議員で構成し、活動する。

第3章 議会運営の原則

(議会運営等の原則)

第4条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 市民の傍聴の意欲を高める議会運営に努めること。

(2) 議会本来の機能が発揮できるよう円滑、効率的な議会運営を図ること。

(3) 公正性、透明性及び信頼性を確保し、市民に開かれた議会を目指すこと。

(4) 市民本位の立場から市長等の市政運営を監視し、評価すること。

(5) 市民を代表する議決機関であることを自覚すること。

(議長及び副議長の選出)

第5条 議会は、議長及び副議長の選出方法の透明化を図るため、それぞれの職を志願する者に所信を表明する機会を設けるものとする。

第4章 委員会の活動

(委員会の活動原則)

第6条 委員会は、専門性とその特性を発揮するとともに、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)に定める制度の活用等による議案等の審査の充実及び政策提案を積極的に行うものとする。

2 委員会は、付託された議案等の審査に当たり、参考人制度及び公聴会制度を活用して、市民の専門的又は政策的識見等をその討議に反映させるよう努めるものとする。

3 委員会は、閉会中においても所管事務調査を実施し、行政監視を行うとともに調査の充実に努めるものとする。

第5章 市長等との関係

(市長等との関係)

第7条 本会議における一般質問については、議員と市長等との質問及び答弁は、論点又は争点を明確にするため、一問一答方式で行うことができるものとする。

2 市長等は、議長の許可を得て、議員の質問に対して、質問の趣旨、内容、背景及び根拠の確認のための反問をすることができるものとする。

3 本会議並びに常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会における議員と市長等との質疑応答は、論点及び争点を明確にして行うものとする。

第6章 議会の機能の強化

(議会の機能強化)

第8条 議会は、議員間における自由な討議を通じて合意形成を図り、政策立案、政策提言等を積極的に行うものとする。

2 議会は、市長等の事務の執行の監視及び評価並びに予算審議、政策立案及び政策提言に関する議会の機能を強化するものとする。

3 議会は、法第100条の2に規定する学識経験を有する者等による専門的事項に係る調査を積極的に活用するものとする。

(議決事項の拡大)

第9条 法第96条第2項の議会の議決事項については、その拡大に向け、議会の監視機能上の必要性と市長の政策執行上の必要性を比較衡量の上、別に定めるものとする。

第7章 市民との関係

(市民と議会の関係)

第10条 議会は、議会の活動に関する情報公開を徹底するとともに、市民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。

2 議会は、本会議、常任委員会のほか、すべての会議を原則公開とする。

3 議会は、議会活動を広く周知するため、コミュニティFM放送、ホームページ等様々な情報媒体を利用し、議会広報の充実に努めるものとする。

4 議会は、請願及び陳情を市民からの政策提案として位置付けるとともに、その審議においては、これら提案者の意見を聴く機会を設けるものとする。

5 議会は、市民の意見を議会活動に反映できるよう、年1回以上議会報告会及び意見交換会を開催するものとする。

(広報広聴委員会)

第11条 議会は、広報広聴機能の充実のため、議員で構成する広報広聴委員会を設置する。

2 広報広聴委員会に関し必要な事項は、別に定める。

(議案に対する賛否の公表)

第12条 議会は、議案に対する議員の賛否の表明を、市民に公表するものとする。

第8章 議会改革の推進

(議会改革の推進)

第13条 議会は、議会の信頼性を高めるため、不断の改革に努めるものとする。

第9章 議員の政治倫理

(議員の政治倫理)

第14条 議員は、市民の代表者としてその倫理性を自覚し、兼業禁止など自己の地位に基づく影響力を不正に使用することなく、また、市民の疑惑を招くことがないよう行動しなければならない。

2 議員は、法令、条例及び会議規則等を遵守し、公正な職務執行を妨げる不当な要求をしてはならない。

第10章 議会事務局等

(議会事務局の体制整備)

第15条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため、議会事務局の調査及び法務機能の充実強化に努めるものとする。

(議会図書室)

第16条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室の充実に努めるものとする。

第11章 その他

(最高規範性)

第17条 この条例は、議会における最高規範であって、議会は、この条例の趣旨に反する議会の条例、規則等を制定することができない。

2 議会は、議員に対して、この条例に関する理解を深めさせるために、一般選挙を経た任期開始後、速やかにこの条例に関する研修を行わなければならない。

(見直し手続)

第18条 議会は、必要に応じて、この条例の目的が達成されているかどうかを検証するものとする。

2 議会は、前項の検証の結果、議会関係条例等の改正が必要と認められる場合は、適切な措置を講じるものとする。

この条例は、公布の日から施行する。

むつ市議会基本条例

平成25年6月26日 条例第26号

(平成25年6月26日施行)