○むつ市庁舎等自家用電気工作物保安規程
平成15年3月24日
訓令甲第9号
むつ市庁舎等自家用電気工作物保安規程(昭和60年むつ市訓令甲第2号)の全部を改正する。
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は、電気事業法(昭和39年法律第170号。以下「法」という。)第42条第1項の規定に基づき、庁舎その他の事業所(以下「庁舎等」という。)における電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保することについて、必要な事項を定めるものとする。
(1) 設置者 自家用電気工作物を設置する者をいう。
(2) 管理責任者 電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安のための巡視を行い、及び保安に関する業務を総括管理する者をいう。
(3) 連絡責任者 電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安のための巡視を行う者及び保安に関する業務のため必要な事項を次条第2項に規定する受注者会等に連絡する者をいう。
(4) 従事者 電気工作物の工事、維持及び運用に従事する者をいう。
(保安に関する業務の委託範囲)
第3条 設置者は、庁舎等の電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安のための業務(以下「保安に関する業務」という。)の全部又は一部を当該業務の実施に必要な資格を有する者に委託するものとする。
2 委託する保安に関する業務の範囲は、前項の規定により保安に関する業務を委託する者(以下「受注者」という。)との契約によって定めるものとする。
(法令及び規程の遵守)
第4条 設置者、管理責任者、連絡責任者及び従事者は、電気関係法令及びこの規程を遵守しなければならない。
(細則の制定)
第5条 設置者は、この規程を実施するため必要と認める場合には、別に細則を制定するものとする。
第2章 保安に関する業務の運営管理体制
(保安に関する業務の管理)
第7条 庁舎等の保安に関する業務は、管理責任者が総括管理するものとする。
2 管理責任者の配置及び庁舎等の保安に関する業務の配置図は、別図のとおりとする。
(連絡責任者等)
第8条 設置者は、連絡責任者を定め、その氏名、連絡方法等を受注者に通知するものとする。
2 設置者は、前項の連絡責任者に事故があるとき、又は欠けたときは、その業務を代行させるため代務者を定め、直ちにその氏名、連絡方法等を受注者に通知するものとする。
3 設置者は、前2項に変更が生じた場合は、直ちに受注者に通知するものとする。
4 設置者は、連絡責任者又はその代務者を、受注者の行う保安に関する業務に必要に応じて立ち会わせるものとする。
(設置者の義務)
第9条 設置者は、電気工作物に係る保安上重要な事項の決定又は実施に当たっては、受注者の意見を求めるものとする。
2 設置者は、受注者から指示され、又は受注者と協議した保安に関する事項については、速やかに必要な措置をとり、また、受注者から助言され、又は受注者に意見を求めた保安に関する事項については、その意見を尊重するものとする。
3 設置者は、法令に基づいて経済産業大臣又は東北経済産業局長に提出する書類の内容が、電気工作物の保安に関係のある場合には、その作成及び手続については受注者の指導を受けるものとする。
4 設置者は、経済産業大臣又は東北経済産業局長が電気関係法令に基づいて行う検査には、受注者を立ち会わせるものとする。
(従事者の義務)
第10条 従事者は、受注者が行う電気工作物の保安に関する事項についての指導を受けなければならない。
第3章 保安教育
(保安教育)
第11条 管理責任者は、受注者の意見を聴いて、従事者に対し、電気工作物の保安に関する必要な事項についての教育を行うものとする。
(保安に関する訓練)
第12条 管理責任者は、受注者の意見を聴いて、従事者に対し、災害その他電気事故が発生した場合の措置について、必要に応じて演習訓練を行うものとする。
第4章 工事の計画及び実施
(工事計画)
第13条 管理責任者は、電気工作物の設置又は変更(改造、修理、取替え及び廃止をいう。)の工事計画を立案するに当たっては、その保安に関し、受注者の意見を求めるものとする。
2 管理責任者は、受注者が行う前項の巡視、点検及び試験の業務に関する計画の策定及び実施について協力するものとする。
(工事の実施)
第14条 管理責任者は、電気工作物に関する工事の実施に当たっては、受注者に工事中の保安監督を行わせるとともに、工事が完成した場合には検査を行わせて、保安上支障のないことを確認するものとする。
2 管理責任者は、電気工作物の工事を他の者に請け負わせる場合には、常に責任の所在を明らかにしておくものとする。
3 管理責任者は、電気工作物の工事に関する巡視、点検及び試験について、受注者に委託する業務に係るものについては受注者との契約に定めるところにより、その他の業務に係るものについては受注者と協議したところにより行うものとする。
第5章 保守
(巡視、点検等)
第15条 管理責任者は、電気工作物の維持及び運用に関する保安のための巡視、点検及び試験は、受注者に委託する業務に係るものについては別表により、その他の業務に係るものについては受注者と協議したところにより行うものとする。
(技術基準の遵守)
第16条 管理責任者は、巡視、点検及び試験を実施した結果、経済産業省令で定める技術基準(以下「技術基準」という。)に適合しない事項が判明したときは、当該電気工作物を修理し、改造し、移設し、又はその使用を一時停止し、若しくは制限する等の措置を講じ、常に技術基準に適合するよう維持するものとする。
(事故の応急措置等)
第17条 連絡責任者又は代務者は、電気工作物に関する事故その他の異常が発生し、又は発生するおそれがある場合には、受注者その他の関係先に迅速に報告し、又は連絡し、受注者の指導を受けて適切な応急措置をとるものとする。
2 管理責任者は、事故その他の異常の発生の原因を究明するため、受注者の協力及び指示又は助言を求め、再発防止に努めなければならない。
3 管理責任者は、再発を防止するため、必要に応じて臨時点検を受けるものとする。
第6章 運転及び操作
(運転及び操作)
第18条 管理責任者は、平常時及び事故その他の異常時における遮断器、開閉器等の操作順序及び運転方法について、受注者の意見を聴き、あらかじめ定めておかなければならない。
2 管理責任者は、前条第1項の報告又は連絡すべき経路は、受電室その他の見やすい場所に掲示しておくものとする。
3 管理責任者は、受電用の遮断器等の操作に当たっては、必要に応じて東北電力株式会社と連絡して行うものとする。
第7章 災害対策
(防災体制)
第19条 管理責任者は、非常災害に備えて電気工作物の保安を確保するために、受注者の意見を聴いて適切な措置をとることができる体制を整備しておくものとする。
(災害発生時の措置)
第20条 連絡責任者又は代務者は、非常災害発生時おいて速やかに受注者に連絡し、その指導を受けるものとする。
2 連絡責任者又は代務者は、災害の発生に伴い、危険と認められるときは、直ちに当該範囲の送電を停止することができるものとする。
第8章 記録
(記録の保存)
第21条 管理責任者は、次に掲げる電気工作物の工事、維持及び運用に関する記録を、3年間保存するものとする。
(1) 巡視、点検及び試験の記録
(2) 電気事故に関する記録
(3) 保修工事に関する記録
2 管理責任者は、前項各号の記録のほか、主要電気機器の保安修理に関する記録を3年間保存するものとする。
第9章 責任の分界
(責任の分界点)
第22条 東北電力株式会社の設置する電気工作物との保安上の責任分界点は、電力需給契約に基づく責任分界点とする。
(需要設備の構内)
第23条 需要設備の構内については、庁舎等の事業場ごとに自家用電気工作物使用区域を定め、構内図を作成するものとする。
第10章 整備その他
(危険の標示)
第24条 設置者は、受電室その他高圧電気工作物が設置されている場所等であって、危険のおそれのあるところには、受注者の意見を聴いて注意を喚起する標示を設けるものとする。
(備品等の整備)
第25条 管理責任者は、電気工作物の保安上必要とする備品、材料、消耗品等は、受注者の意見を聴いて整備し、これを適正に保管するものとする。
(設計図書類の整備)
第26条 管理責任者は、電気工作物に関する設計図、仕様書、取扱説明書、設備台帳等を必要な期間整備保存するものとする。
(手続書類等の整備)
第27条 管理責任者は、経済産業大臣又は東北経済産業局長、東北電力株式会社に提出した書類及び図面その他の主要文書については、その写しを必要な期間保存するものとする。
附則
この訓令は、平成15年4月1日から施行する。
附則(平成29年3月8日訓令甲第1号)
この訓令は、公表の日から施行する。
別図(第7条関係)
電気工作物の工事維持運用に関する組織系統図
別表(第15条関係)
巡視、点検及び試験の基準(需要設備)
○印は各点検の該当項目を示す。(注12)
電気工作物 | 点検項目(注1) | 定期点検 | 臨時点検 | ||
月次点検 | 年次点検 | ||||
隔月(注2) | 年1回 | 必要の都度 | |||
受電設備 | 責任分界となる区分開閉器、断路器(注3) | 外観点検 | ○ | ○ | |
絶縁抵抗測定(注4) | ○ | ||||
動作試験(注5) | ○ | ||||
結合動作試験(注6) | ○ | ||||
保護継電器動作特性試験 | ○ | ||||
引込線等 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
絶縁抵抗測定(注4) | ○ | ||||
断路器 遮断器 開閉器 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
絶縁抵抗測定(注4) | ○ | ||||
動作試験(注5) | ○ | ||||
結合動作試験(注6) | ○ | ||||
内部点検 | ○ | ||||
絶縁油の点検、試験 | ○ | ||||
電力ヒューズ | 外観点検 | ○ | ○ | ||
絶縁抵抗測定(注4) | ○ | ||||
計器用変成器 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
絶縁抵抗測定(注4) | ○ | ||||
変圧器 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
絶縁抵抗測定(注4、注8) | ○ | ||||
内部点検 | ○ | ||||
絶縁油の点検、試験 | ○ | ||||
電力用コンデンサ 直列リアクトル | 外観点検 | ○ | ○ | ||
絶縁抵抗測定(注4) | ○ | ||||
避雷器 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
絶縁抵抗測定(注4) | ○ | ||||
母線 バスダクト等 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
絶縁抵抗測定(注4、注8) | ○ | ||||
その他の高圧機器 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
絶縁抵抗測定(注4) | ○ | ||||
配電盤 制御回路 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
指示計測 | ○ | ||||
絶縁抵抗測定(注4) | ○ | ||||
保護継電器動作特性試験 | ○ | ||||
計器校正試験 | ○ | ||||
シーケンス試験(注6) | ○ | ||||
建物、室、キュービクル等の金属箱 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
接地装置 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
漏洩電流測定(注13) | ○ | ||||
接地抵抗測定(注7) | ○ | ||||
配電設備 | 電線路 | 受電設備の引込線等に準ずる。 | 同左 | 同左 | 同左 |
断路器、遮断器 | 受電設備に準ずる。 | 同左 | 同左 | 同左 | |
開閉器、電力ヒューズ | |||||
計器用変成器、変圧器 | |||||
電力用コンデンサ等 | |||||
避雷器、母線等 | |||||
その他の高圧機器 | |||||
配電盤等 | |||||
建物、室、キュービクル等 | |||||
接地装置 | 受電設備に準ずる。 | 同左 | 同左 | 同左 | |
電気使用場所の設備(注10、11) | 電動機 | 外観点検 | ○ | ○ | |
絶縁抵抗測定(注9) | ○ | ||||
電熱装置 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
絶縁抵抗測定(注9) | ○ | ||||
電気溶接機 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
絶縁抵抗測定(注9) | ○ | ||||
照明設備 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
絶縁抵抗測定(注9) | ○ | ||||
配線及び配線器具 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
絶縁抵抗測定(注9) | ○ | ||||
保護継電器動作特性試験 | ○ | ||||
その他の機器類 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
絶縁抵抗測定(注9) | ○ | ||||
接地装置 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
接地抵抗測定(注7) | ○ | ||||
非常用予備発電装置 | 原動機及び附属装置 | 外観点検 | ○ | ○ | |
始動試験 | ○ | ○ | |||
機関保護継電器動作試験 | ○ | ||||
発電機及び励磁装置 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
絶縁抵抗測定 | ○ | ||||
遮断器 開閉器 配電盤 制御装置等 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
動作試験(注5) | ○ | ||||
結合動作試験(注6) | ○ | ||||
保護継電器動作特性試験 | ○ | ||||
シーケンス試験(注6) | ○ | ||||
その他受電設備に準ずる。 | 同左 | 同左 | 同左 | ||
建物、室、キュービクル等の金属箱 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
接地装置 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
接地抵抗測定(注7) | ○ | ||||
蓄電池設備 | 蓄電池 | 外観点検 | ○ | ○ | |
電圧測定 | ○ | ||||
比重、液温測定 | ○ | ||||
充電装置及び附属装置 | 外観点検 | ○ | ○ | ||
絶縁抵抗測定(注9) | ○ |
(注1) 各項目の点検方法については、受注者が定める点検指針等による。
(注2) 移動用の非常用予備発電装置を接続しない期間にあっては、6箇月に1回の点検とする。
(注3) 充電部分の絶縁抵抗測定は、省略することがある。
(注4) 当事業場の停電が困難な場合にあっては、3年に2回以内において、受注者と協議の上、部分放電検出等による絶縁診断に替えることがある。
(注5) 当事業場の停電が困難な場合にあっては、3年に2回以内において、受注者と協議の上、保護継電器制御回路の測定試験及びテスト釦又は接点メーク等による保護継電器単体試験に替えることがある。
(注6) 受電設備・非常用予備発電装置にあっては3年に1回、それ以外の設備にあっては必要の都度行う。
(注7) 過去の測定結果により、省略することがある。
(注8) 変圧器の二次側より主開閉器電源側を一括絶縁抵抗測定する場合であって、当該電路の接地線の取外しが困難なときは、省略することがある。
(注9) 次のいずれかの場合において、絶縁状況が良好と認められるときは、受注者と協議の上全部又は一部を省略することがある。
(1) 絶縁常時監視装置・漏電監視装置等による監視又は漏電遮断器を設置する場合
(2) 3年に2回以内において、当事業場の停電が困難で、かつ、低圧漏電メモリー等による監視を行う場合
(注10) 電気火災警報器、昇降設備等その取扱いについて法令に基づく特定の資格を要する電気工作物及び、オートメーション化された工作機械群等その取扱いに高度の専門知識を要する電気工作物にあっては、点検及び試験の一部を省略することがある。
(注11) 移動して使用する電気工作物等、定期点検時に現場に置かれていないものにあっては、点検及び試験を省略することがある。
(注12) ただし、○印の該当項目については、設備のある場合に適用する。
(注13) 絶縁常時監視装置、漏電監視装置又は低圧漏電メモリー等の監視により、絶縁状況が良好と認められるときは、全部又は一部を省略することがある。