○むつ市公害防止条例
昭和51年3月24日
条例第3号
(目的)
第1条 この条例は、法令その他特別の定めがある場合を除くほか、公害の防止に関し必要な事項を定め、もって市民の健康で文化的な社会生活の確保に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「公害」とは、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)、悪臭等によって、市民の健康又は安全かつ快適な生活環境が阻害されることをいう。
2 この条例にいう「生活環境」には、人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含むものとする。
3 この条例において「規制基準」とは、発生し、又は排出されるばい煙、粉じん、騒音、振動、ガス、汚水、廃液及び悪臭(以下「ばい煙等」という。)の量、濃度、程度等の許容限度をいう。
(事業者の責務)
第3条 事業者は、市民の健康を保護し、及び安全かつ快適な生活環境を保全するため、常に最大限の努力をしなければならない。
2 事業者は、その事業活動に伴って生ずる公害を防止するため、自己の責任と負担において必要な措置を講じなければならない。
3 事業者は、市が実施する公害の防止に関する施策に積極的に協力しなければならない。
第4条 事業者は、ばい煙等を発生し、又は排出させる施設を適正に管理するとともに、その発生又は排出の状況を常に監視しなければならない。
第5条 事業者は、工場、事業場等の敷地について緑化を図る等公害の防止上適正な管理を講ずることにより、地域の生活環境の保全に努めなければならない。
(市民の責務)
第6条 市民は、公害防止のために、常に清潔な生活環境を保持するよう努めるとともに、市が実施する公害の防止に関する施策に積極的に協力しなければならない。
(市の責務)
第7条 市は、市民の健康を保護し、及び安全かつ快適な生活環境を保全する使命を有することにかんがみ、公害の防止に関する適正な施策を実施するものとする。
(公害防止に関する基本的施策)
第8条 市長は、公害の状況を把握し、及び公害の防止のための措置を適正に実施するために必要な監視、測定その他の調査を行わなければならない。
2 市長は、前項の規定による監視、測定その他の調査の結果明らかになった公害の状況等を公表しなければならない。
第9条 市長は、公害に係る苦情があったときは、速やかにその実情を調査し、当該苦情を適正に処理するよう努めなければならない。
2 市長は、公害に係る紛争について仲介等の要請があったときは、当該紛争の適正な解決に努めなければならない。
第10条 市長は、公害の防止施設の整備を促進するため必要な資金のあっせん、技術的な助言その他の援助に努めなければならない。
(規制基準)
第11条 規制基準は、ばい煙等の種類並びにばい煙等を発生し、又は排出させる施設及び建設工事として行われる作業で規則で定めるもの(以下「特定施設等」という。)ごとに規則で定める。
2 市長は、前項の規定により規制基準を定めようとするときは、むつ市公害対策審議会の意見を聴かなければならない。これを変更し、又は廃止しようとするときも同様とする。
(規制基準の遵守義務)
第12条 特定施設等からばい煙等を発生し、又は排出させる者は、規制基準を遵守しなければならない。
(改善勧告)
第13条 市長は、特定施設等から発生し、又は排出されるばい煙等が規制基準に適合しないと認めるときは、当該ばい煙等を発生し、又は排出させる者に対し、期限を定めて特定施設の構造の改善、作業時間の変更、ばい煙等の処理又は防止の方法の改善その他必要な措置を採るべきことを勧告することができる。
(改善命令)
第14条 市長は、前条の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、その者に対し、期限を定めて、特定施設の構造の改善、作業時間の変更、ばい煙等の処理又は防止の方法の改善その他必要な措置を採るべきことを命ずることができる。
2 市長は、前項の規定による命令をしようとするときは、当該命令を受ける者に対し、弁明の機会を与えることができる。
(停止命令)
第15条 市長は、前条の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、その者に対し、当該施設の使用又は当該作業の一時停止を命ずることができる。
(事故時の措置)
第17条 事業者は、工場、事業場等における事故により、公害に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、直ちに応急の措置を講ずるとともに、市長に事故の状況を届け出なければならない。
2 前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事故について、直ちに復旧その他必要な措置を講じ、完了したときは、市長にその旨を届け出なければならない。
(拡声機使用の制限)
第18条 何人も、航空機(航空法(昭和27年法律第231号)第2条第1項に規定する航空機をいう。)から機外に向けて、拡声機を使用してはならない。
2 前項に規定するもののほか、何人も拡声機を使用して付近の静穏を害する行為をしてはならない。
3 前2項の規定は、公共のために使用する場合及び緊急時のために使用する場合その他規則で定める場合は適用しない。
(夜間の静穏保持)
第19条 何人も、夜間(午後9時から翌日の午前6時までをいう。)において、音響機器音、楽器音、人声等により、みだりに付近の静穏を害する行為をしてはならない。
(燃焼不適物の燃焼禁止)
第20条 何人も、燃焼に伴い、著しいばい煙、有害ガス又は悪臭を発生させるおそれのある物を屋外において燃焼させてはならない。
(有害物質の地下浸透の禁止)
第21条 何人も、規則で定める有害物質を地下に浸透させてはならない。
(自動車の使用及び管理)
第23条 自動車等(道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第9号に規定する自動車及び同条第10号に規定する原動機付自転車をいう。以下同じ。)の使用者及び所有者は、常に必要な整備及び適正な運転をすることにより、自動車等から発生する騒音及び排出ガスを最小限に留めるよう努めなければならない。
(土砂流出防止等)
第24条 土砂の掘削、盛土、切土、整地等の行為をする者は、公共用水域(水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)第2条第1項に規定する公共用水域をいう。)に著しく土砂を流出させることにより水質を汚濁し、又は水底に土砂を堆積させないよう努めなければならない。
(公害防止協定)
第25条 事業者は、市長が市民の健康を保護し、又は安全かつ快適な生活環境を保全するために必要があると認めて公害の防止に関する協定の締結について協議を求めたときは誠意をもってこれに応じなければならない。
2 事業者は、前項の協定が成立したときは、誠実にこれを遵守しなければならない。
(報告及び立入検査)
第26条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、ばい煙等を発生し、又は排出させている者に対し必要な事項の報告を求め、又は職員に、工場、事業場その他の場所に立ち入り、帳簿書類、設備その他の物件を検査させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
(公害対策審議会)
第27条 市長の諮問に応じ、公害対策に関する基本的事項及びこの条例の規定によりその権限に属する事項を調査審議するため、むつ市公害対策審議会(以下「審議会」という。)を置く。
第28条 審議会は、委員15人以内で組織し、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) 学識経験者
(2) 関係行政機関の職員
(3) 公共的団体等の代表者
(4) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める者
第29条 審議会に会長を置き、委員の互選によってこれを定める。
2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
3 会長に事故があるときは、あらかじめ会長の指定する委員がその職務を代理する。
第30条 審議会の会議は、必要に応じ会長が招集する。
2 会長は、会議の議長となる。
3 審議会の会議は、委員の過半数が出席しなければ開くことが出来ない。
4 審議会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは議長の決するところによる。
第31条 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
第32条 会長は、審議会に特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、部会を置くことができる。
(委任)
第33条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(罰則)
第34条 第15条の規定による命令に違反した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
第35条 第26条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者又は立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は3万円以下の罰金に処する。
附則
附則(平成20年9月19日条例第43号)
この条例は、平成20年11月1日から施行する。