○むつ市債権管理条例

令和3年3月26日

条例第2号

(目的)

第1条 この条例は、市の債権の管理及び整理回収に関する事務処理について必要な事項を定めることにより、公正かつ公平な市民負担の確保及び市の債権の管理の適正化を図り、もって健全な行財政運営に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「市の債権」とは、非強制徴収公債権及び私債権をいう。

2 この条例において「非強制徴収公債権」とは、地方自治法(昭和22年法律第67号)第231条の3第1項に規定する歳入に係る債権(同条第3項に規定する歳入に係る債権を除く。)をいう。

3 この条例において「私債権」とは、金銭の給付を目的とする市の権利のうち、地方自治法第231条の3第1項に規定する歳入に係る債権及び同法第240条第4項各号に規定する債権以外のものをいう。

(他の法令等との関係)

第3条 市の債権の管理に関する事務(市の債権について、債権者として行うべき保全、徴収、内容の変更及び消滅に関する事務をいう。)の処理については、法令又は条例、規則若しくは規程に定めがあるもののほか、この条例の定めるところによる。

(市長等の責務)

第4条 市長及び公営企業管理者(以下「市長等」という。)は、法令又は条例、規則若しくは規程の定めるところにより、市の債権を適正に管理しなければならない。

(督促)

第5条 市長等は、市の債権について、履行期限までに履行しない者があるときは、期限を指定してこれを督促しなければならない。

(担保権の実行、強制執行、訴訟手続等)

第6条 市長等は、市の債権について、前条の督促をした後相当の期間を経過してもなお履行されないときは、次の各号に掲げる措置をとらなければならない。ただし、第10条の措置をとる場合又は第11条の特約若しくは処分をする場合その他特別の事情があると認める場合は、この限りでない。

(1) 担保の付されている市の債権(保証人の保証がある市の債権を含む。)については、当該債権の内容に従い、その担保を処分し、若しくは競売その他の担保権の実行の手続をとり、又は保証人に対して履行を請求すること。

(2) 債務名義のある市の債権(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については、強制執行の手続をとること。

(3) 前2号に該当しない市の債権(第1号に該当する市の債権で同号の措置をとってなお履行されないものを含む。)については、訴訟手続(非訟事件の手続を含む。)により履行を請求すること。

(専決処分による訴訟手続の実施)

第7条 市長は、前条に規定する措置をとるに当たり、地方自治法第96条第1項第12号の規定により議会の議決を要する訴訟手続のうち、市の債権の迅速かつ効果的な回収を図るため必要があると認めるものについては、議長に対し、その案を添えて同法第180条第1項の規定による専決処分事項の指定のための議決を依頼することができる。

(履行期限の繰上げ)

第8条 市長等は、市の債権について履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、債務者に対し、履行期限を繰り上げる旨の通知をしなければならない。ただし、第11条第1項各号のいずれかに該当する場合その他特に支障があると認める場合は、この限りでない。

(債権の申出等)

第9条 市長等は、市の債権について、債務者が強制執行又は破産手続開始の決定を受けたこと等を知った場合において、法令の規定により市が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。

2 前項に規定するもののほか、市長等は、市の債権を保全するため必要があると認めるときは、債務者に対し、担保の提供(保証人の保証を含む。)を求め、又は仮差押え若しくは仮処分の手続をとる等必要な措置をとらなければならない。

(徴収停止)

第10条 市長等は、市の債権で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号のいずれかに該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは、以後その保全及び取立てをしないことができる。

(1) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くなく、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるとき。

(2) 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるときその他これに類するとき。

(3) 債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。

(履行延期の特約等)

第11条 市長等は、市の債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、当該市の債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。

(1) 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。

(2) 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。

(3) 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。

(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る市の債権について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。

(5) 貸付金に係る市の債権について、債務者が当該貸付金の使途に従って第三者に貸付けを行った場合において、当該第三者に対する貸付金に関し、第1号から第3号までのいずれかに該当する理由があることその他特別の事情により、当該第三者に対する貸付金の回収が著しく困難であるため、当該債務者がその債務の全部を一時に履行することが困難であるとき。

2 市長等は、履行期限後においても、前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合においては、既に発生した履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金(以下「損害賠償金等」という。)に係る市の債権は、徴収すべきものとする。

(免除)

第12条 市長等は、前条第1項第1号に該当するため同条の特約又は処分をした市の債権について、当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約又は処分をした場合は、最初に履行延期の特約又は処分をした日)から10年を経過した後において、なお、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、当該市の債権及びこれに係る損害賠償金等を免除することができる。

2 前項の規定は、前条第1項第5号に掲げる理由により履行延期の特約をした貸付金に係る市の債権で、同号に規定する第三者が無資力又はこれに近い状態にあることに基づいて当該履行延期の特約をしたものについて準用する。この場合における免除については、債務者が当該第三者に対する貸付金について免除することを条件としなければならない。

(債権の放棄)

第13条 市長等は、市の債権(元本の額が1件当たり100万円以下のものに限る。)について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、市の債権及びこれに係る損害賠償金等を放棄することができる。

(1) 債務者が著しい生活困窮状態(生活保護法(昭和25年法律第144号)の規定による保護を受け、又はこれに準ずる状態をいう。)にあり、相当の期間資力の回復が困難であると認められる場合で、弁済の見込みがないと認められるとき。

(2) 債務者が死亡し、その債務について限定承認があった場合、相続人全員が相続放棄した場合又は相続人が存在しない場合において、その相続財産の価額が強制執行をした場合の費用及び当該市の債権に優先する債権の金額の合計を超えないと認められるとき。

(3) 私債権の消滅時効に係る時効期間が満了したとき(債務者が時効を援用しない特別の理由があるときを除く。)

(4) 破産法(平成16年法律第75号)第253条第1項、会社更生法(平成14年法律第154号)第204条第1項その他の法令の規定により、債務者が当該市の債権につきその責任を免れたとき。

(5) 第6条各号又は第9条第1項の措置をとってもなお完全に履行されない当該市の債権について、当該措置が終了したときにおいて債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済の見込みがないと認められるとき。

(6) 第10条の措置をとった市の債権について、当該措置後相当の期間を経過した後において、なお、同条各号のいずれかに該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認められるとき。

(7) 債務者が死亡、失踪、行方不明その他これに準ずる事情にあり、かつ、徴収の見込みがないと認められるとき。

(委任)

第14条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、令和3年4月1日から施行する。

むつ市債権管理条例

令和3年3月26日 条例第2号

(令和3年4月1日施行)