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昨年12月8日に発生した青森県東方沖地震は、むつ市においても暮らしの各所に影響を及ぼし、私達の平穏な日常に深い影を落としました。市民の皆様の不安や不自由が続く中、私達は、被災したむつ総合病院の再建という大きな課題をはじめ、立ちはだかる困難を皆様と分かち合い、共に乗り越える歩みの最中にあります。
この地震は、私達の日々の暮らしの安定が、決して不変のものではなく、ひとたび自然の脅威に直面すれば、容易に揺らぎ得るものであるという現実を、改めて鮮明に突きつけました。特に、発生の切迫性が指摘されている「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震」は、もはや「いつか来る」ものではなく、「明日起きてもおかしくない」むつ市最大の防災課題です。
何より、災害は時を選びません。とりわけ、今回のように冬季の発災といった厳しい想定を念頭に置くことは、危機管理の上では欠かすことができません。しかしながら、行政による「公助」には限界があり、一人でも多くの命を守るためには、市民の皆様による「自助」と「共助」が何よりの力となります。自らの命をどう守り、地域をどう守るかを問い直し、一人ひとりが主体的に災害への備えに加わっていただく、こうした意識の変革は災害への備えにとどまるものではなく、行政と市民の皆様が地域の課題を「自分ごと」として共有し、今の暮らしや地域の支え合いの在り方を見つめ直す契機となるものです。
さらに、共に知恵を出し合い、支え合う仕組みを磨き上げることは、有事の際の確かな盾となるだけでなく、平時の暮らしをより豊かで持続性のあるものへと変えてくれるはずです。そして、市民の皆様の主体的な取組を、行政が責任を持って支え、共に形にしていくこと、これこそが、私が市政運営の基本に据える姿勢でもあります。
現在、我が国を取り巻く情勢は、人口構造の変化や地域経済を支える担い手不足の深刻化、社会インフラの老朽化、さらには、激甚化する自然災害への対応など、極めて複雑な局面にあります。
こうした中、国においては「経済財政運営と改革の基本方針」に基づき、デジタル化や脱炭素、地方創生の深化といった構造改革が進められております。
さらに、先の衆議院議員総選挙を経て国政が新たな一歩を踏み出した今、地方自治体には、地域の潜在力を引き出す戦略的判断と、事態の急変に即応し得る行政運営の高度化が、かつてない強さで求められております。しかしながら、国政が新たな体制へと移行し、社会が大きく揺れ動いている今こそ、地方自治体は単に国の施策に追従するだけでは、この難局を乗り越えることはできません。
これまでの前提が通用しなくなる中で、限られた行政資源をいかに戦略的に投じるか、私達は将来の方向性を見据えた重要な決断の時を迎えております。そして、この難局を乗り越える力は、変化を静観することからは生まれません。むつ市の底力を引き出すべき局面として受け止め、市民の皆様一人ひとりと、このまちをつくる当事者としての誇りと責任を共有し、共に知恵を出し合いながら、次の世代に自信を持って「つなぐ」ことのできるむつ市の姿を描いてまいります。
令和8年度の当初予算は、現行のむつ市総合経営計画の最終年度として、これまで積み重ねてきた取組の成果の確かな結実とともに、「青の煌めきあおもり国スポ・障スポ」を成功へと導く、極めて重要な意味を持ちます。
予算編成に当たっては、本大会の開催により行政資源の制約が一層厳しさを増すことが見込まれる中にあっても、前例や固定観念に捉われることなく新たな発想の下で施策を展開するため、事務事業の徹底した見直しを行い、守るべきものと改めるべきものを峻別し、そこから生み出した資源を、将来を見据えた投資として重点的に配分する予算編成としたところであります。
本定例会に提案いたします予算のテーマは、「守り、拓き、躍動する。~強靱な礎の上に、50年の想いを解き放つ予算~」であります。
このテーマの下に一般会計では、405億円を計上いたしましたが、その概要を5つのテーマに区分して御説明いたします。
まず、1つ目は「未来のむつを支える人を想いやる予算」であります。
子育て世帯の経済的負担を抜本的に軽減し、誰もが安心して産み育てられる環境を構築するため、令和8年度から保育料の完全無償化をスタートします。むつ市では、本施策を少子化対策の柱と位置づけ、所得制限を設けない一律無償化を実施することで、子育て支援のステージを一段引き上げます。
次に、こども向け職業体験のパイオニアとして実績のある「キッザニア」の監修の下、小・中学生を対象とした地元企業での就業体験の機会を新たに創出し、地域の産業に触れることで、将来の地元就職への意欲を高め、次代の地域経済を担う人材の育成を推進します。
次に、こども達一人ひとりの実情に合わせて柔軟な学びを提供する「学びの多様化学校」については、令和9年4月の開校に向け、教育課程の検討や学校環境の整備を進めます。また、旧田名部カトリック幼稚園への移転を進めている教育支援センターにつきましては、令和8年12月のオープンに向けて改修工事を実施し、こども達が安心して過ごせる居場所としての機能を大幅に強化するとともに、支援体制の更なる充実を図ります。
2つ目は「防災・DXで今と未来の暮らしを守る予算」であります。
デジタル技術による情報の即時集約と共有機能を備えた、むつ市の防災・危機管理の要「危機管理センター」の供用を開始し、的確な意思決定と現場対応を支える仕組みを確立するとともに、多目的ホールにおいては、平時と非常時の境界を取り払うフェーズフリーの概念の下で、日常の活用がそのまま有事の備えとなる環境を整え、いかなる事態においても市民の皆様の命と暮らしを守り抜く、実効性の高い防災体制を構築してまいります。
次に、災害時における多様な情報伝達手段の確保を図るため、スマートフォンや防災行政無線による防災情報の取得が難しい環境にある市民の皆様を対象に、各家庭の固定電話又はFAXへ防災情報を配信するサービスを開始します。
次に、思いやりのあるスマートシティの実現を目指すため、むつ市が運用する複数のアプリやホームページを含め、地域の情報を一つにまとめることで、世代を問わず誰もが情報を入手できるポータルアプリを導入します。
3つ目は「地域の産業を守りむつの魅力を切り拓く予算」であります。
新たな企業の誘致や産業集積を促進し、雇用の創出と地域経済の活性化を推進するため、戦略的な産業基盤として、産業用地の整備に向けた適地の選定調査を行います。
次に、若者の人口流出を第一次産業の面から抑制するため、農林水産分野への先端技術の導入により、高付加価値化と生産性向上を図る「しもきたハイテクフードバレー」の実現に向けた導入可能性調査を実施し、新たな働く場や雇用の創出を目指します。
次に、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、市内におけるエネルギー需要の把握や市民の皆様と事業者の意識調査を通じて、脱炭素社会の方向性を示すむつ市GXビジョンを策定し、環境対策を地域の成長へとつなげる具体的なロードマップを描くことで、経済が持続的に循環するまちづくりを推進します。
4つ目は「いつまでも自分らしく躍動する生活を支える予算」であります。
移り変わる環境の変化に対応できる持続性の高い公共交通ネットワークの形成に向け、公共交通と多様な移動サービスを最適に組み合わせ、市民の皆様や来訪者一人ひとりの移動ニーズに対応できるシステム「むつMaaS」の構築に着手します。
また、誰もが将来にわたり住み慣れた地域で安心して受診できる体制の構築に向けて、通院手段の確保が課題となっている高齢者の方々などの患者が移動車両内で診療を受けられる「医療MaaS」の導入に向けた研究に着手します。
次に、地域の伝統行事や民俗芸能の継承を担う保存団体等の主体的な活動を支援するため、新たに補助制度を創設し、担い手の育成といった課題の解決を支えることで、郷土への愛着と誇りを次代へと共に育んでまいります。
次に、物価高騰に対応するための経済対策として、生活必需品である燃えるごみ用の指定ごみ袋を市内全戸に配布し、家計の経済的負担の軽減を図ります。
最後に、むつ市の歴史に深く刻まれることとなる「青の煌めきあおもり国スポ・障スポ」の開催を、最高の舞台で迎え、その熱気を次代へとつなぐための取組についてであります。
国スポ・障スポでむつ市を訪れる選手や観客の皆様が、競技会場のみならず市内の観光スポットや飲食店へ足を運ぶ契機となるよう、近隣観光案内マップを作成・配布し、滞在の満足度を高めることで、大会の活気を地域全体の賑わいへと波及させてまいります。
次に、令和7年度に策定した「むつ市アウトドアグランドデザイン」を具体化するため、モンベルグループと連携して、推奨アクティビティルートや地域のグルメ、特産品等の魅力を総合的にプロモーションする冊子を作成し、国スポ・障スポ来訪者への戦略的なプロモーション展開と併せて、大会を契機とした観光振興と誘客促進を図ります。
次に、国スポ女子バスケットボール競技に合わせたスタンプラリーを実施することにより、会場周辺に賑わいと応援の輪を創出し、大会の成功を後押しするとともに、楽しみながら取り組む健康づくりを通じて、大会がもたらす感動と喜びを市民の皆様と共に分かち合います。
次に、市民の皆様と環境美化への意識を共有するとともに、国スポ・障スポの開催に向けた機運を高めるため「スポGOMI大会」を開催し、清潔で美しい街並みによって来訪者を歓迎する万全の体制整備を図ります。
以上が、令和8年度当初予算の概要であります。
およそ半世紀ぶりに青森県で開催される国スポ・障スポでは、むつ市も5つの競技の開催地として、その大きな役割と責任を担うこととなります。全国から多くの選手をはじめ、大会関係者や来訪者をお迎えするこの大会は、単なるスポーツの祭典にとどまりません。
大会を支えるボランティアや、歓迎の輪に加わる市民の皆様一人ひとりの行動こそが、むつ市の姿を力強く全国に印象づけるまたとない機会でもあります。
この大会を通じて、市民の皆様が「自らの手でまちを動かす」という成功体験を共有すること、それこそが、むつ市が目指すまちづくりの具体的な姿であり、次代へと語り継ぐべき、目に見えない真のレガシーとなります。
そして、この大会を一過性の出来事として終わらせることなく、そこで育まれる市民の皆様の参画意識や連帯の力を、日常の市政運営やまちづくりの仕組みへと昇華させていくことが、私達行政に求められる重要な役割でもあります。
令和8年度は、次の10年の未来図を描く次期総合経営計画を策定します。これは、市民の皆様と行政が同じ夢を追いかけ、共に実現していくための「未来への約束」です。この約束を果たす積み重ねの先に、私達が誇れるむつ市の未来が拓けます。
市民の皆様一人ひとりの思いを計画に映し込み、その計画を市政運営の確かな指針として、次の時代へと着実につなげてまいります。
その重い責任を胸に、市政の前進に引き続き全力を尽くすことをここに誓い、令和8年度の施政方針といたします。
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